埼玉県立近代美術館(さいたま市浦和区常盤9)で現在、収蔵品のリサーチ成果を展示する「コレクションの舞台裏‐光をあてる、掘りおこす。収蔵品をめぐる7つの試み」が開催されている。
西洋近代絵画や埼玉県ゆかりの美術家を中心に、国内外の近現代美術作品約4200点を収蔵する同館。同展は、学芸部スタッフがおのおのの視点で収蔵品を選び、借用作品を一部交えて、研究成果を基に展示を企画した。同館特任館長の関直子さんは「作品の解釈や捉え方は、時代の価値観や調査研究とともに変化する。今回は、現在の学芸部スタッフの視座から、コレクションの新たな面を掘り起こすことを試みた」という。併せて、美術館活動の舞台裏ともいえる「学芸員の机」などを再現する。
同展は7つのテーマで構成。「キスリングとアンドレ・ドラン‐来歴、画商、コレクターをめぐって」「田中保、アトリエへの招待‐パリの新発見資料から」「山口敏男、岩崎勝平、末松正樹の水彩と素描‐戦時美術の一断面」「点を打つ‐村上善男の美術と研究」「細田竹‐日常を描く」「女性たちの小宇宙‐田中田鶴子、草間彌生、奥山民枝」「MOMASのとびらを開いてみたら」と、内容は多岐にわたる。
同展の「舞台裏」を紹介する関連イベントも開催。近代日本美術史研究者の山本由梨さんによる講演会や、同展出品作家・奥田民枝さんのアーティスト・トーク、「ヤマト運輸」美術品輸送部門スペシャルアトバイザー/コンサバターの相澤邦彦さんのミュージアム・レクチャー、担当学芸員によるレクチャー、ギャラリートークなどを予定する。
関さんは「当展は短編小説のアンソロジーのような展覧会。新資料発見によって分かった作家の一面を紹介したり、女性画家を通した女性像の分析をしたりするなど、各学芸員のテーマによって内容も雰囲気も全く異なる。作品と出合うと共に、展示の裏にある『学芸員の仕事』も垣間見て楽しんでもらえたら」と話す。
開館時間は10時~17時30分。月曜休館。観覧料は、一般=1000円、大学生・高校生=800円。関連イベントの日程はウェブサイトで確認できる。5月10日まで。