文化施設やアート活動を知るイベント「ところでなにする?:さいたまアーツコモンズツアー2024(SACT)」の第1回が9月28日、カフェ「マーブルテラス」(さいたま市浦和区常盤10)のイベントスペースで行われた。主催はアーツカウンシルさいたま(公益財団法人さいたま市文化振興事業団)。
さいたま市内の「アーツコモンズ(誰もが参加できる文化的な共有地)」を巡り、その場所で日々営まれていることとゲスト作家の表現との関係を体験する同プログラム。プロジェクトリーダーは、「さいたま国際芸術祭2020・2023」で市民プロジェクトを担当した、美術家、写真家、造形ワークショップデザイナーの浅見俊哉さんで、2025年2月まで全6回行う予定。第1回は障害者が福祉作業所で作るクッキーの販売やランチカフェの営業、イベントや展示スペースを運営する「マーブルテラス」で行った。
同施設を運営するNPO法人「クッキープロジェクト」代表理事の若尾明子さんと、昨年のさいたま国際芸術祭2023会期中にマーブルテラスで写真展を開いたことをきっかけに招かれた「世界を渡り歩き出会いを紡ぐ活動を行っているヴァガボンド」を志して活動するテンギョー・クラさんをゲストに招き、ワークショップを行い、34人が参加した。
第1部では、若尾さんがクッキーを使った新メニューを考案するワークショップを行った。参加者は、視覚障害者向けのクリームサンドクッキーや複数のクッキーを楽しめる盛り合わせ、隣の人とコミュニケーションを取りやすい「貝合わせクッキー」などのアイデアを出し合った。
第2部では、テンギョー・クラさんと共に「幻聴妄想かるた」を用いた遊びを行い、世田谷区の就労継続支援B型事業所「ハーモニー」施設長の新澤克憲さんが解説を加えた。
最後に、プロジェクトファシリテーターの三浦匡史さんが振り返りを行った。三浦さんは「初回は、地域コミュニティーとして利用者も多いマーブルテラスを会場とした。参加者同士がすぐに打ち解けている様子を見て、安心した。今後も継続して参加することで、アーツコモンズや、そこへ関わる人々の理解が深まるなど、新たな発見をしてもらえたら」と話した。
次回は10月19日、中尾第二自然緑地で行う。音楽家でサウンドアーティストの松本一哉さんをゲストに招く。