タイ式リラクセーションサロン「結―ゆい―」(さいたま市中央区下落合)が4月9日、オープン8周年を迎えた。
タイの伝統療法といわれる「ユーファイ」「トークセン」を主体にした施術を行う同店。温めたタイ産ハーブをボール状にした「ハーブボール」や溶岩のブロックを使って体を温める温熱療法「ユーファイ」、木づちで体に振動を送り、体に変化を促す「トークセン」、タイ式ストレッチなどを取り入れたメニューを提供する。
オーナーでセラピストの清野映美さんによると、医療事務職員をしていた当時、通院する高齢者と接するうちに心身ケアに興味を持ち、マッサージやアロマセラピーを学ぶため退職。タイ、インド、バリ島へ足を運び、現地のさまざまなマッサージやボディーケアを習得したという。その後、出産・子育ての傍らホテルのスパやエステ店で勤務経験を積み、培った技術を生かそうとリラクセーションサロンを自宅で開業。たまたま友人に紹介された「トークセン」に魅了され、タイの伝統療法を身に付けるために再びタイへ渡り、現地のスクール で技術と知識を習得。帰国後に念願だった個人店舗をさいたま市内に出店した。
清野さんは「4月9日は『しきゅう=子宮』の日」だとひらめいて、その日にサロンをオープンした。子宮は女性の体の中心にあるので、大切にしてほしいという思いを込めている」と話す。不妊治療で苦労していた友人の姿を見て、同じ悩みを持つ女性たちの力になれたらと現在のスタイルに至ったという。
「ユーファイは直訳すると『火のそばに居る』という意味で、タイでは産後女性の体の不調を改善する伝統療法として知られている。そこにヒントを得て、体を温めることは産後だけでなく産前の女性にも大切だと思い、ユーファイを取り入れた産前産後のケアを始めることにした。日本の女性は仕事に家事、育児と無意識のうちに働きすぎている。疲れた時に自分を取り戻すことができ、パワー補給する場所にしたい」と清野さん。
「お客さまから子どもの猫背を治してほしいという要望があり、親御さんが自宅でお子さんに『トークセン』をしてあげられたらよいのではと思い、小・中学生向けメニューも用意した」と清野さん。「今はランドセルも重いので肩こりになりやすい、スマホやゲーム機の使用で猫背になりがちなお子さんを心配する親御さんも多い」と話す。現在、一般向けに「トークセン」1日講座を開講している。
店名の「結(ゆい)」は、人と人、体と心、子どもと親、あらゆる縁を結んでいきたいとの思いから名付けた。「60代になったら日本とタイに拠点をつくり、両国の文化や人々をもっともっと結んでいきたい」と目を輝かせる。