パソコンやタブレットを使わずにプログラミングを体験してもらうプログラミング教室「メリンちゃんを動かそう」が2月20日、さいたま市立青少年宇宙科学館(さいたま市浦和区駒場2)で開講された。
埼玉大学において、プログラミング教育先進国・イギリスの教育現場の視察からヒントを得て開発されたロボット「メリンぼっと」を使い、パソコンがうまく使えない子にもプログラミングを体験してもらおうという同講座。講師を務めるのは同ロボットの開発に携わった同大学教育学部准教授でSTEM教育研究センター代表でもある野村泰朗さんで、当日は、主にさいたま市から小学1年生から3年生までの親子8組合わせて16人が参加した。
埼玉大学のマスコットキャラクター「メリンちゃん」をモチーフにしている同ロボットは、命令ボタン4個、操作ボタン2個の合計6個のボタンのみの操でプログラミングができる。受講者は、プログラミングや操作方法について一度説明を聞いただけで、質問も練習もなく実際にロボットを動かすことができていた。電源を入れ、音が鳴りボタンが光り始めると子どもたちは「わあ」と喜んだ。ロボットを動かすプログラムは、模造紙にロボットの家や学校、店などを描き、ロボットの一日を想像しながら考えた。
参加した小学2年生(さいたま市浦和区)は「いつもゲームの中でプログラミングしているが、本物のロボットをプログラミングで動かすのも楽しい」と話した。
野村准教授は「プログラミング敎育の学校での必修化などにより、保護者の関心も高まっておりこのようなプログラミング講座の参加者の低年齢化が顕著になったが、パソコンを使ってキャラクターを動かすような学習が多く、プログラミングとは何かを体感できる活動が少ない。パソコンがなくてもプログラミング的思考を学べることを知ってもらおうと、ロボットを開発し、講座をスタートさせた。今後は、より多様なプログラミング的思考を体験できるようプログラムの命令数を追加するなど研究開発を進めながら、さまざまな場所で講座を行い、活動を広げていきたい」と話す。
同教室は、8月8日に南朝霞公民館で予定されているほか、さいたま市立青少年宇宙科学館では、2023年2月19日に開催予定となっている。