埼玉県赤十字血液センターが2月27日、浦和駅東口で献血を行い、協力者に埼玉県立特別支援学校羽生ふじ高等学園寄贈の温室トマトを進呈している。
同センターによると、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、献血バスによる団体献血の中止や献血ルームでの協力者数の減少で、輸血用血液製剤に使う安定的な血液の確保が難しくなっているという。同センターが献血啓発と新規献血協力団体の募集に努めている中、今回、同校の協力により取り組みが実現した。
トマトは、同校が生徒の卒業後の就労を目指し行われている取り組みの一環で、農業コースの生徒たちが温室で育てたもの。例年は、校外で販売会を行っていたが、コロナでイベントが中止する中、生徒たちのやる気が落ちていたという。「コロナ禍で献血する人が少なくなっている」と聞いた同校の先生たちが、トマトを献血協力者へのお礼として使ってもらうことを、同センターに提案したという。
同校の先生は「コロナ禍で様々なことが思うように進められない中、少しでも生徒の頑張りが社会の役に立てればと考えている。生徒達は自分が大事に育てたトマトを食べた方に喜んでもらえたら、今までの自分たちの取り組みにやりがいを感じ、働く力になるはず。献血に貢献してもらうことで、特別支援学校への応援にもなるこの取り組みにご参加いただけたら」と呼び掛ける。
献血は、会場の新型コロナウイルス感染予防対策を徹底して行う。同センターの庄山裕貴さんは「献血は皆さんの継続的な協力が必要で、安心して協力に来てもらえるように対策は徹底している」と話す。
開催は16時まで。トマトの進呈は無くなり次第終了する。