新型コロナウイルスの感染拡大防止に伴う自粛等により、休業要請に応じた中小企業や個人事業主に対して「埼玉県中小企業・個人事業主支援金」を支給する施策がとられている埼玉県で、その対象から外れている特定非営利活動法人(NPO法人)や一般社団法人などの非営利団体が支援金の対象になるよう、埼玉県内の市民活動中間支援組織を中心に呼び掛けを行っている。
特定非営利活動法人さいたまNPOセンター理事の小野崎研郎さん
呼びかけ団体の1つとなった特定非営利活動法人さいたまNPOセンター理事の小野崎研郎さんは「国の持続化給付金や東京都・神奈川県などの休業に関する協力金・支援金はNPO法人も支援対象になっているが、埼玉県では対象外となっている。各NPOも大変困っていることから、まずは正しい状況を県にも認識してもらうために、県内の中間支援組織で連携し今回の呼び掛けに繋がった」と話す。
「非営利団体はボランティア活動と思われているかもしれないが、例えば、福祉や生活困窮者支援に対する社会活動として働いている職員がいるのに見えていないのかもしれない。そこには雇用も生まれているが、認識されていないことを改めて思い知った。NPO法人や一般社団法人で働いて生活している職員、関わっているアルバイト学生なども困窮している。こういった非営利団体が潰れてしまえば、地域のセーフティネットがさらに壊れていくことになりかねないと思う。改善されるよう呼び掛けていければ」とも。
北浦和でコミュニティーカフェを運営しているNPO法人クッキープロジェクトの若尾明子さんは「非営利団体でもコミュニティーカフェは収益事業として法人事業税や法人県民税なども納付しており、同じように休業要請に従っているのに、法人格が異なるだけで休業支援金が支給されないことに驚いている」と話す。非営利団体であっても、家賃を払い、人を雇って事業を行っている点は営利事業者と同じで、新型コロナウイルスで大きな影響を受けているという。
埼玉県内の市民活動中間支援組織が連名で5月13日に「新型コロナウイルス感染防止対策にともなう埼玉県の事業者支援補助金に関する要望活動」というウェブサイトを公開し、賛同する団体や個人を募っており、公開後、1日で100件近い賛同が集まっているという。今月18日20時まで、賛同を募っている。