さいたま市のタクシー会社、日栄交通(さいたま市南区文蔵3、TEL 0120-933-204)が、買い物代行・荷物の配達や集荷・家具の移動や急な電球交換などの軽作業を行うサービスを4月下旬に開始した。
日栄交通のタクシーと、会社の事務所で飼われているという「五十六」という猫
新型コロナウイルス感染拡大の影響を踏まえたタクシー事業者による有償貨物運送が特例的に認められたことに伴い実現した同サービス。サービス開始直後には、早速客の要望で砂利を買いに行き庭にまく依頼を受けたという。
日栄交通の常務の清水雄一郎さんは、「シェアリングエコノミーと言う言葉が世の中に広まった頃、果たしてこれから先もタクシーが人を乗せるだけでいいのだろうかと考えるようになった。仮に運転手が1日に10時間タクシーに乗ると実際にお客さまを乗せて走っている時間は2、3時間しかない。車内空間にはたくさんの無駄なスペースがあり、物流業界の人手不足のニュースを見るたびにタクシーはもっと効率的な乗り物に生まれ変わるべきだと考えていた」と振り返る。「新型コロナの影響を受け困っている人がたくさんいる今、私たちにできる本当に必要なサービスとはなんなのか。お客さまのニーズにできるだけ応えたい」とサービスを始めた。
同社は別事業部として建築部門を展開しており、家の困り事などにも対応する。「ドライバーが高齢のお客さまから相談されると、台風で飛ばされた屋根の補修に行ったり、ごみの片付けをしたり、植木の剪定(せんてい)をしたり、照明の交換をしたりと御用聞きのようなこともしてきた」と清水さん。「まずは電話をいただき依頼内容を聞いて対応している。買い物代行の場合は、欠品時も料金が発生してしまうため、あらかじめお店に在庫の確認してもらい、日栄交通が取りに行く旨を伝えておいてもらう方が確実」と言う。
料金は30分1,500円で、以降10分につき500円増し。自宅や店舗から配送の場合は2キロ以内1回500円。