浦和の映像制作会社チェリービーは、親子で利用できる場所「親子ワーキングスペース」(さいたま市浦和区仲町1)の提供を始めた。
企業や行政などの映像制作を行う同社。新型コロナウイルスの影響で4月から社員は、全員テレワークで勤務するため、現在使われていないオフィスを活用しようと取り組みを始めた。デスクやパソコン、Wi-fiなどを利用できるほか、冷蔵庫、電子レンジ、お茶・コーヒー(無料)、コピー機(有料)などが自由に利用できる。子どもは勉強する学習の場として、親はコワーキングスペースとして、親子一緒に利用できるのが特徴。
休校中や在宅勤務の親子に向け、同スペースの提供を5月いっぱい無料で行う。感染予防のため除菌・消毒を行い、2時間おきの換気、グループ入れ替えごとに室内・備品の消毒を徹底するという。
山口正人社長は「5月11日からさいたま市でオンライン学習が始まっているが、パソコンが家にない 子どもたちは、親のスマートフォンを使用するしかない。親の仕事にも支障が出るし、子どもたちの学習環境の格差も生まれる。親子ワーキングスペースを提供することで、快適な環境を提供したい」と話す。
山口さん自身も中学2年生・小学3年生の父親。コロナの影響で家庭学習が始まり3カ月目となるが「勉強しろといっても、しない。家ではゲーム、テレビ、漫画などの誘惑が多すぎ、自宅での学習は難しい」と学習に対する不安を抱えていた。自宅での自身の仕事も、子どもたちの学習状況が気になり、質問されて仕事が途切れることも多かったという。
子どもたちを自宅以外で学習させてみようと使っていないオフィスで勉強をさせたところ、集中することができた。「学習する環境を整えると、子どもたちは学習に取り組める」と感じたことが同スペースを始めるきっかけになったという。
利用した中学2年生の男子生徒は「家だと、iPadとかテレビとか誘惑されるものがある。そういうのが一気に遮断される感じだから、やりやすかった。1時間がとても早く感じた」と話す。
山口さんは「子どもが集中して勉強ができない。子どもの勉強を見るために仕事が進まないと悩む家庭は、多いと思う。1時間もでもスペースを利用して、気分転換をしてほしい」と呼び掛ける。
利用時間は9時~17時(完全予約制、TEL 048-762-7907)、1回の利用は3時間まで。土曜・日曜定休。