「子ども大学SAITAMA」2019年度修了式が12月21日、埼玉大学(さいたま市桜区大字下大久保)で行われた。
発表の良かった点を共有し合う児童たち=埼玉大学で「子ども大学SAITAMA」修了式
子どもの知的好奇心を刺激するような講義や体験活動を行い、自ら考え行動できる子どもを増やそうと取り組む「子ども大学」。2002年にドイツのチュービンゲン大学で始まり、2009(平成21)年3月に日本で初めて「子ども大学かわごえ」が行われた。現在は埼玉県内で100近く展開している。
今年で6回目となる「子ども大学SAITAMA」は、さいたま市近郊に在住の小学4~6年生の各学年から40人、計120人が参加した。6月の入学式から半年間で、学年別の講義や自分の興味・関心によって選ぶことができるコース別講義を含め全8回の講義が行われた。
本年度の実行委員長を務めた三尾新さんは「学校の友達もいない環境への挑戦に、初めは緊張していた子どもたちも、いろいろな学びを通して夢や将来やってみたいことなど自分の意見が自信を持って言えるようになった。自分の意見に自信を持てるようになると表情まで変わってくる」と話す。
修了式では、参加児童が「子ども大学で学んだこと」をテーマに1分間の発表を行った。用意してきた絵や図、パワーポイントを使いながら、思い思いに講義で得た「学び」を発表した後は、児童一人一人に修了証明書が手渡された。
講義で学んだ手話を使って発表を行った6年生の友常麻優さんは「将来の夢は医療の仕事につくこと。手話が学べるコースを選んだ。学んだことは自分の将来に役立つと思う。子ども大学に参加する前は、人前で話をすることがとても苦手だったが、今日発表をしてみたら意外と大丈夫かもと思った。学校の授業でもどんどん手を挙げたい」と笑顔を見せる。
子ども大学に参加しながら子ども実行委員を務めた5年生の藤田桜儀さんは「実行委員に挑戦して講義の準備など大変なこともあったが、実行委員だったからこそ自分のやってみたかった講義が実現できて楽しかった。来年も参加したい」、子ども実行委員で6年生の吉田達貴くんは「子ども大学の講義では、生き物や農業など身近にはないものを詳しく知ることができた。学校の授業の授業でも関心をもてるようになった」と話す。
発表会の後には、チームに分かれて発表の振り返りも行われ、児童たちはお互いの発表の良かった点を共有し合った。