台風19号の影響で12日、さいたま市各区で避難勧告・指示が発表された。
埼玉大学(さいたま市桜区大字下大久保)では、12日18時前後には乗用車のタイヤ半分ほどの高さまで冠水。さいたま市は同19時前後に鴨川・鴻沼川の氾濫危険を呼び掛ける「警戒レベル4」を発表し、避難勧告を発令した。
桜区でカフェを営む男性は「昨日は店は臨時休業にした。鴨川が氾濫間近で避難区域になったが、近所の避難所も浸水区域に指定されているため開設されないと情報が入った。姉や地域の人と連絡を取りながら対応した」と話す。
埼玉大学経済学部の石田惣平教授は、同大学の学生に向けさいたま市内の避難所一覧や、避難した際に家族やゼミ講師への連絡を促す内容をTwitterに投稿。アクセスが集中し、繋がりにくくなっていた同市のホームページ上の情報をSNSで再発信し、一人暮らしで避難に踏み切れずにいた学生を後押ししたという。石田さんは「埼玉大学には一人暮らしの学生も多いので、避難することを迷って手遅れになるぐらいなら、早く避難行動に移してほしいという思いで投稿した。実際に私のゼミ生からも避難の連絡が入った」と振り返る。「情報にばらつきが出るので取捨選択は必要だが、今回のような場合タイムリーな情報発信・収集ができるという点でSNSは便利だと思う」とも。同大学は13日12時現在、概ね大きな被害は見られないという。
さいたま市によると、台風19号の影響に伴い発令していた荒川の避難指示、入間川及び鴨川・鴻沼川の避難勧告は、13日14時現在全て解除されている。