さいたま市桜区のプラザウエスト(桜区道場4)ロビーで現在、アーティスト川埜龍三さんの作品「犀(サイ)の角がもう少し長ければ歴史は変わっていただろう」を展示している。
ワークショップや展示も参加したトリエンナーレサポーターの田村佳可さん
「さいたまトリエンナーレ2016」出品作品で、再展示となる同作品は「架空の発掘物」がモチーフ。
川埜さんは制作した「犀」や「はにわ」などの立体作品を使い、市内各所に架空の発掘現場を再現。発掘隊に扮(ふん)したエキストラを配置して発掘している様子を写真に撮ったほか、岩槻の旧民俗文化センターで撮影した写真と立体作品を展示した。
川埜さんは「さいたまトリエンナーレ2016出品に当たり、さいたま市を調査した。古墳や貝塚が多く、制作作品のヒントになった」と話す。
トリエンナーレサポーターの田村佳可さんは「もともとアートが好きで、トリエンナーレにサポーターとして参加した。発掘場所の情報を提供したことをきっかけに川埜さんの作品にも携わることになった。もし制作作品が本当に出土していたら、と想像してしまう。事実そう思って見ている高齢者もいた。川埜さんの作品は埋もれていた記憶を掘り起こし、再発見する機会を与えてくれた」と話す。
田村さんは「今回の展示は以前の会場とは違った趣がある。犀が少し高い位置にあるので、岩槻会場では見えなかった部分も見ることができ、ついついニヤっとしてしまう。ぜひ実物を見て想像する豊かな時間を過ごしてほしい」と話す。
開館時間は9時~21時30分。来年3月まで。