東浦和にある「Gallery Pepin(ギャラリーぺピン)」(さいたま市緑区大牧)で現在、企画展「本日はお日柄もよく 荒井信吉展」が開催されている。
荒井信吉さんは1970(昭和45)年生まれ。1996年に多摩美術大学を卒業後、精力的に個展を行っている。今回は平面・立体・映像作品計11点で構成する。
「ペピンを荒井さんに任せたらどうなるのかを見てみたかった」と話すのは同ギャラリー店主の小林優佳さん。10年間銀座のギャラリーに勤め、2015年に同ギャラリーを開いた。小林さんと荒井さんは古くから付き合いがあったが、昨年、改めて作品を見て印象が変わった」と小林さんは振り返る。
主な作品は、布地から色を抜き合成樹脂塗料などで描く。モップを使った立体作品や、土手で25倍に拡大した巨大麻雀牌を使い、実際にマージャンを行う映像作品なども公開。小林さんは「色の美しさ、形の面白さ、パフォーマンスのユーモア、小さな会場には、これらが全て存在している。既製品の布地を脱色し、そこに描いた作品は、抜いて・加えるという行為にも意味があるように思う。スパイラル・循環・コミュニケーションがイメージさせられる作品は、『行き来することで立体的に形作られる、あるもの』が視覚化されているという。
「日本人が大切にしてきた『気配を感じて、おもんばかる』という感覚を、荒井作品の持つ『循環』というイメージへの接続により見ることで、考える場になれば」とも。
営業は木曜のみで、時間は12時~18時。3月23日まで。