まちライブラリー@ゆずり葉(さいたま市浦和区仲町3、TEL 050-3633-8343)で4月20日、創作落語を聞いて認知症や相続について学ぶ「笑って、長生き『相続落語』」が行われた。主催は専門家と連携し、相続や財産管理等、高齢期の諸問題に関する相談支援を行っている一般社団法人コレカラ・サポート。
演目は「二筋縄」という創作落語で、認知症と相続の問題を「家族信託」という切り口で作られた。約20人が参加した会場は笑い声で包まれた。
落語を行ったのは社会人落語家の参遊亭英遊さんこと石倉英樹さん。本業は相続専門の税理士で、コレカラ・サポートのメンバーでもある。石倉さんが落語を始めたのは1年半前。もともと落語をよく聞くというわけではなかったが、ある日知人に「仕事とか抜きで何がしてみたいか」と聞かれ、「落語」と思い付いて答えたのがきっかけだという。その後1年間、教室で落語を習い、現在は古典落語3席、新作1席というレパートリーを持つ。
「まずは自分がやっていて楽しい。これが一番。そして聞いてもらえる方も楽しんでくれる。それが素晴らしい」と石倉さんは落語の魅力を語る。昨年の3月から介護施設などで落語ボランティアを行っており、現在までに延べ約30カ所の施設を回ったという。
自分の本業である相続の問題を取り扱った創作落語をレパートリーに加えたことで、「自分の本業でもある相続の問題も、落語で笑いながら聞いてもらえる」と石倉さん。
聞きに来ていた40代女性は「家族信託という仕組みは初めて聞く言葉だった。誰もが避けられない相続の話。硬い話も石倉さんの緩い雰囲気で力を抜いて聞けた。家族の会話も『あるある』で誰もが笑えたし、『うちならこうかな?』とイメージができてよかった」と感想を語った。