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埼玉県庁で「つながるSAITAMA大賞」表彰式 孤独・孤立対策の契機に

受賞者と大野知事、東選考委員長(後列右から2番目)

受賞者と大野知事、東選考委員長(後列右から2番目)

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 「つながるSAITAMA大賞」表彰式が12月12日、埼玉県庁で開かれた。

大賞を受賞した認定NPO法人「しっきーず」

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 少子高齢化や単身世帯の増加により、地域における人と人との「つながり」の希薄化が指摘される中、県ではNPOや民間企業、行政などの連携による孤独・孤立対策の取り組みを表彰し、「つながり」が感じられる地域づくりを推進しようと、2024年度に同賞を創設した。

 2回目となる本年度、表彰の対象になったのは「孤独・孤立対策に連携して取り組んでいる好事例」として県内市町村などから推薦された24件の取り組み。選考基準に定められた7つの評価項目について2段階の審査を行い、大賞1団体、優秀賞2団体が決定した。

 大賞には、相談・参加・地域づくりの一体的支援事業を行う認定NPO法人「クラブしっきーず」(志木市)が選ばれた。同NPOは誰もが安心して集える「第3の居場所」を民間企業や行政などと連携して運営し、不登校の子どもや高齢者、障害者らを支援している。選考委員長を務めた獨協医科大学看護学科の東宏行特任教授は「最初は支援される側だった子どもや高齢者が、相談やプログラム参加を通して、支援する側へと成長する『循環型の仕組み』を実現している点が高く評価された」と話した。

 優秀賞は、「町の保健室」などを運営するNPO法人「リマインド」(さいたま市中央区)、子ども食堂をネットワークでつなげる活動を行う一般社団法人「埼玉県子ども食堂ネットワーク」の2団体が受賞。東選考委員長は「惜しくも選ばれなかった団体も高得点で、孤独・孤立の予防や支援に取り組む活動の広がりを感じさせるものだった」と総括した。

 大野元裕知事は「2024年4月1日に施行された孤独・孤立対策推進法に基づく重点計画では、見守り、交流の場や居場所の確保、官、民、NPOなどの連携強化などが基本方針とされている。本日受賞した取り組みはまさに官、民、NPOなどが連携し、学齢期、子育て期、高齢期などの各ライフステージに応じた居場所づくり、つながりづくりであり、孤独・孤立対策に求められる理想の姿だと思う。孤独・孤立の状態は、人生のあらゆる段階において誰にでも生じうる問題。今後も連携を強め、多様なつながりづくりに取り組むことが重要」と話した。

 県福祉政策課の茂木誠一課長は「県では孤独・孤立対策のポータルサイトを立ち上げ、予防や支援に取り組む団体を紹介している。孤独・孤立を感じたときに、相談できる場所があることを積極的に発信していきたい」と前向きな姿勢を見せる。

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