
映画「オレンジ・ランプ」の無料上映会が9月26日、彩の国さいたま芸術劇場(さいたま市中央区上峰3)映像ホールで開かれ、70人が鑑賞した。主催は埼玉りそな銀行。
同作は、39歳で若年性認知症と診断された男性と妻の9年間の歩みを、実話を基に描いた作品。夫を和田正人さん、妻を貫地谷しほりさんが演じ、2023年に全国公開された。認知症をテーマに、夫婦や家族、地域とのつながりを丁寧に表現し、「誰もが自分らしく暮らせる社会とは何か」を問いかける内容になっている。
同社は9月の「世界アルツハイマー月間」に合わせて啓発活動を展開。上映会はその一環で、昨年に続き2回目の開催となった。同社が地域に根ざした企業として取り組む社会課題活動として、上映会は「くらしの安心」をテーマにした活動の一つとなる。
上映前には、同社個人部担当で執行役員の青木大介さんがあいさつし、「この映画は、人とのつながりの大切さを描き、認知症になっても安心して暮らせる社会を目指して作られた。映画を通じて、認知症への正しい理解や前向きな気付きにつながればうれしい」と話した。
鑑賞した大宮区在住の60代夫婦は「銀行から映画の案内をもらい、興味を持って申し込んだ。自分もなるかもしれないし、身内にもいるので参考になった」、桜区在住の50代女性は「認知症になった本人が不安になることが分かった。その不安を家族や周囲が理解すると寄り添えると思った」と、それぞれ話していた。
同社個人部統括グループのグループリーダー、兼松崇文さんは「認知症は誰もが向き合う社会課題。認知症になっても、地域の一員として生き生きと生活できるよう、私たち一人一人が正しく知って理解し、自分に何ができるかを考えることが大切。銀行は、資金の困り事に備えるための幅広い提案ができる。連携企業とも協力して、安心して暮らせる地域づくりに貢献したい」と話す。