武蔵浦和駅に程近い京葉流通倉庫(さいたま市南区鹿手袋5)で6月27日、家庭の不用品や、手作り小物、アート作品などを販売するフリーマーケット&ワークショップ「シカテ一畳マーケット」が行われる。
「『起きて半畳、寝て一畳』のことわざの示すごとく、人ひとりが最低限必要とするスペースはしょせん一畳。そうした自分好みのスペースを会場(300畳)に敷き詰めたらどんなすてきな出会いがそこに生まれるだろうか」と、発起人でNPO法人「near design」代表の佐藤真実さん。千葉県九十九里の出身で、結婚を機に7年前に浦和に転居してきた。
武蔵浦和は埼京線を幹線に、都心のベッドタウンとして近年急速に開発の進む人口流入エリア。地元に長く住む住民に加え他の地域から移り住む人も非常に多く、地域としての一体感の醸成も難しい。ご近所付き合いも希薄になりがちだという。
「自分の身の回り、地域のことをよく知らないで、とてももったいないと感じた」と佐藤さん。仕事の関連でイベントの企画・立案に多く携わってきた佐藤さんは、住まいの近くにある大きな倉庫が気になっていたという。「いつかここでイベントを開催してご近所さんとつながれたら」という思いが数年越しに実現した。
「身の回りに楽しいことがあればいいな」と話す佐藤さん。発想はシンプルだが、持ち前の積極性と行動力でこれまでにも浦和駅近くの「四代目小松屋 シャッター商店再生プロジェクト」やさいたま市の「空き家活用プロジェクト」で大きな役割を果たしてきた。
そうした活動に賛同する仲間や地元自治体の協力などもあって、今回のイベントでは事前の申し込みで300畳の会場が早々に埋まったという。
一般参加のフリーマーケットエリアでは家庭の不用品・手作り小物やアート作品などの販売を行うほか、ワークショップエリアではさまざまなイベントも企画。周辺の地名「鹿手(シカテ)」をロゴにしたオリジナルグッズの販売も予定している。
「みんなの居場所をつくりたい。場所をつくって人をつなげてみんなで楽しく過ごす。そんなお手伝いができたら」と佐藤さん。新興のベッドタウンにも新しいご近所付き合いが着実に息づいている。