鈴木写真館(さいたま市浦和区仲町2、TEL 048-822-2468)で3月17日~21日、鈴木のぞみさんの写真展が行われた。
9月に開催される「さいたまトリエンナーレ2016」のパートナーシップ事業として、旧中山道沿いの建築物や街中にアート作品を展示し、アートを身近な存在として紹介する取り組みの一環。
鈴木さんが普段手掛ける作品は窓ガラスを使って窓越しの風景を撮影し、撮った写真を窓ガラスに焼き付けて一つの作品を作り出すというもの。今回は窓ガラスではなく、鈴木写真館で実際に撮影した写真と、額、写真乾板、写真乳剤等を使って作品を制作した。
出展作品はパッと見ると普通のモノクロ写真に見えるものの、よく見ると平面と立体の間のような微妙なバランスで、実際の写真の「思い」が伝わってくるように感じさせるのが特徴。見る角度によっては色の濃淡や表情が違って見える。作品は着物を着た女性や小さい男の子などさまざまで、中には婚礼写真を作品にしたものも。同作品は鈴木写真館を営む鈴木高光さん、敬子さん夫妻の結婚写真で、紙焼きしたものも一緒に飾られていた。
鈴木のぞみさんは「もともと鈴木写真館が大好きで、別の機会では個人的にインタビューに行ってしまうほど。今回の企画展では絶対にここで展示をすると決めていた。歴史を感じる貴重な写真を素材として、自分の作品にすることができて満足している。これからも窓越しの風景だけではなく、日常をもっと違う観点から見つめた作品を作ってみたい」と話す。