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埼玉会館で舩橋淳監督トークショー 「埼玉が生んだ女優・三宅邦子」作品上映企画で

舩橋淳監督(右)とNPO法人埼玉映画ネットワークの杉本悠さん(左)

舩橋淳監督(右)とNPO法人埼玉映画ネットワークの杉本悠さん(左)

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 埼玉会館(浦和区高砂3)で5月31日、映画監督の舩橋淳さんによるトークショーが行われた。主催はNPO「埼玉映画ネットワーク」。

三宅邦子の生家から借りてきたパネルや写真を見る来場者

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 埼玉会館で4月から不定期で行っている映画上映会「埼玉が生んだ女優・三宅邦子~小津安二郎監督作品選~」企画の一環。

 三宅邦子は、さいたま市岩槻区の出身で、高校卒業後に松竹に入社し、戦前戦後にかけて活躍した女優。小津監督作品にも数多く出演し、1992年に亡くなった。

 三宅邦子が1960(昭和35)年に出演した映画「秋日和」の上映後に開かれたトークショーでは、映画監督の舩橋淳さんが登壇した。

 舩橋さんは「小津監督のドキュメンタリーを撮ったこともある。小津監督の台本などを3カ月かけて調べ、映画も何百回見た。場面ごとに色や道具を大切に考え、特に赤を貴重とした。(三宅さんは)ビール瓶や茶碗、やかんなどの小道具の位置にもこだわり、台本に細かく書いていた。情感を伝えるために、役者にはせりふを言わせず演技する場面もある。そんな主役を引き立てる三宅邦子は、さらっと上品に明るい表情で皮肉めいたことを言える女優で、なくてはならない存在だと小津監督は思ったのではないか」と話す。

 来場した70代男性の一人は「友人は小津作品が大好きで、自分も懐かしく見た。今まで気にしたことはなかったが、監督の話を聞いて次の映画は小道具や景色もじっくり見たい」とほほ笑む。

 同NPOの山口浩太さんは「埼玉会館がリニューアルされ、最新の上映機材が入った。修復された映像をデジタルで上映できるので、粗い部分がなく見やすい。大きな画面で、色や小道具、三宅邦子のせりふに注目すると違った目線で楽しめる。多くの方に見てほしい」と呼び掛ける。

 9月7日・8日は「麦秋」、10月5日・6日は「お早よう」、12月21日・22日は「秋刀魚の味」の上映を予定する。上映は10時30分と14時の一日2回。鑑賞料は、大人=1,000円、学生=500円。

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