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調神社で「新嘗祭」 うさぎ神社に「うさぎワイン」奉納も

新嘗祭の様子 宮司の吉田正臣さんが祝詞を読み上げる

新嘗祭の様子 宮司の吉田正臣さんが祝詞を読み上げる

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 浦和の調神社(さいたま市浦和区岸町3)で11月14日、「新嘗祭(にいなめさい)」が行われ、秩父の「兎田(うさぎだ)ワイナリー」のワインが奉納された。

供えられた兎田ワイナリーの「秩父ブラン」=調神社で「新嘗祭」

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 新嘗祭は毎年11月23日に全国の神社で行われる、その年に収穫した穀物を神に供え、その恵みに感謝する祭り。同年2月に行われる五穀豊穣(ほうじょう)を祈る「祈年祭」に相対する行事で、現在は勤労感謝の日として国民の祝日になっている。

 今年は、天皇陛下の即位後初めて行う一代一度の新嘗祭である「大嘗祭(だいじょうさい)」の開催日時に合わせ執り行われ、令和元年初の取り組みとして「今年収穫したブドウで造った、造りたてのワインを供えよう」と、宮司の吉田正臣さんが埼玉県産のワインを探していたという。

 吉田さんは「これまでは氏子の皆さんがお供えされたものが中心だったが、天皇陛下が即位される令和元年最初の新嘗祭として新しい試みを模索していた。日本は稲作文化なので米や日本酒をお供えするが、それにあわせて地元産のものをお供えできればと。ちょうどボジョレーワインが販売される季節で、氏子の皆さんもワイン好きが多いので地元産のワインを探していた」と話す。同社はこま犬ではなく「こまうさぎ」を置く神社として知られており、埼玉県内でレストランを運営するノースコーポレーションの北康信さんが同ワイナリーを紹介。「ウサギつながりで地産地消もかなう」と奉納が決まり、同社をはじめ「武蔵一宮氷川神社」「三峯神社」「秩父神社」「宝登山神社」の5社に奉納された。

 兎田ワイナリー(埼玉県秩父市下吉田)は2013(平成25)年に完成したワイナリー。同ワイナリー完成以前から、地元の酒蔵の協力の下20年以上ワインを造り続けてきたという。同ワインは、秩父市で収穫された「セイベル9110」を使って造られた秩父産ブドウ100%の白ワイン「秩父ブラン」で、できたての上層部を無ろ過の状態で瓶詰めし、酸味と甘みのバランス良く仕上げている。

 兎田ワイナリーの深田和彦さんは「近年国内産のワインが増えてきているが『秩父ブラン』のように商品名に地名を名乗れるのは、原材料のブドウの85%以上がその土地で採れたものでないといけない。秩父の恵みを手作りで真心込めてワインにしている」と話す。「神様の隣にお供えしてもらえることはとてもうれしい。現在は秩父地域内を中心に販売しているが、今回の奉納を機に、より兎田ワイナリーを知ってもらうきっかけになれば」とも。

 吉田さんは「新穀をお供えするお祭りとして、地産地消の取り組みも示していければ。うれしい『ウサギつながり』のご縁を今後も続けていきたい」と笑顔で話した。

 同ワインだるは、同社境内の「神楽殿」に奉納されている。同ワインは兎田ワイナリー直営店のほか、秩父市内の道の駅や酒販店で購入できる(375ミリリットル=1,700円、税別)。

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