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埼玉会館100周年フォーラム第1弾 現会館60年の歩み振り返る

多くの来場者が集まった埼玉会館100周年記念フォーラムの会場

多くの来場者が集まった埼玉会館100周年記念フォーラムの会場

 埼玉会館創立100周年記念フォーラム第1弾「前川建築 埼玉会館の60年」が5月31日、埼玉会館(さいたま市浦和区高砂3)で開かれた。主催は埼玉県芸術文化振興財団。

手描きのエスプラナード図面とタイルデザインを担当した建築家・中田準一さん

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 同館は1926(大正15)年、昭和天皇の御成婚を記念して建設された「御成婚記念埼玉會館」に始まり、2026年11月6日で100周年を迎える。老朽化に伴う建て替え計画で、1966(昭和41)年に東京文化会館などを手がけた建築家・前川國男の設計により現会館が開館した。同財団は、現会館の開館60年を迎える節目に、前川の設計思想や同館の魅力を振り返る目的でフォーラムを企画。建築に関心を持つ人や同会館に思い入れのある市民らが集まり、映像上映や講演、トークセッションに耳を傾けた。

 登壇したのは、青山恭之さん(アトリエ・リング)、中田準一さん(元前川國男建築設計事務所員)、橋本功さん(前川建築設計事務所長)の3人。打ち込みタイルと打ち放しコンクリートを組み合わせた外壁、散策路・広場「エスプラナード」、床タイルのデザインなど、前川建築の特徴を、それぞれの立場から語った。

 講演で青山さんは、同館が周囲の街と有機的につながる空間として設計されていると紹介。エスプラナードを利用する人々の姿を例に、同館が浦和の日常に溶け込んできたことを説明した。中田さんは、エスプラナードの床タイルのデザインが前川國男建築設計事務所に入って初めて任された仕事だったと紹介。10センチ×20センチの2色のタイルをどう貼り分けるか試行錯誤を重ねた当時を振り返り、「埼玉会館は、ものづくりの方法論を教えてくれた場所」と語った。

 トークセッションでは、橋本さんが建築は所有者だけのものではなく、社会の共有物として受け継がれるという前川の考えを紹介し、「地域の人たちが『私と埼玉会館』を考え、記憶を残していく活動ができたら」と呼びかけた。

 会場では、参加者から自身と同会館との思い出を語る声も上がった。富士見市から参加した60代女性は「皆さんのこの建物に対する愛情を感じた。これからも今の姿を大切に維持し続けてほしい」と話していた。

 同財団は創立100周年を記念し、展示、トークイベント、上映会などを、年間を通じて展開する。10月31日には記念フォーラム第2弾「岡田信一郎と御成婚記念埼玉會館」、11月7日には第3弾「100年を遡(さかのぼ)る埼玉県と埼玉会館」を予定する。

 小澤信子副館長は「地域で本当に愛されてきた建物だと感じている。地域の人々と建物を共有しながら次の100年につないでいきたい」と話す。

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